この記事では、Microsoft Wordで作成した文書に図を挿入する方法を説明します。また、見出し番号に連動する図表番号の挿入方法も紹介します。

図と図表番号の挿入は、「順番」が非常に大切です。
順番を間違えると手間が増えるので注意しましょう。

チュートリアル

手順1:見出しをスタイルとアウトラインの定義で設定

図表番号の設定の際に、見出し番号に連動させるため、図の貼り付け前に見出しをスタイルとアウトラインの定義で設定する必要があります。

具体的な設定方法は、下記の記事で紹介しています。

スタイルとアウトラインの定義を使って、ワードの見出しに付番

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Microsoft Wordで作成した文書に「見出し」を書くとき、スタイルとアウトラインの定義を使って「見出し」に番号をつければ、文書の体裁を統一しやすくなるだけでなく、文書の入れ替えなどの編集もしやすくなります。

手順2:図を貼り付け

まず、図表番号より先に図を貼り付けます。

図表番号を先に挿入すると、図表番号が「テキストボックス」ではなく「段落」になってしまい、手順6で説明する図と図表番号の「グループ化」ができず、図の移動が困難になるからです。

下図のとおり、2段落目の末尾にカーソルを移動します。


次にタブ「挿入」の中から「画像」をクリックし、画像を挿入します。


下図のとおり、画像が挿入されました。

なお、下記の記事でファイルサイズを小さくするための画像の挿入方法を紹介していますので、是非ご一読ください。

ワードのファイルサイズを小さくするため、画像の挿入方法を検証してみた

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この記事では、Microsoft Wordのファイルサイズが肥大化しないように、画像の挿入方法を検証してみました。


手順3:文字列の折り返し「四角」にする

画像が挿入されたら、文字列の折り返しを「四角」にしなければいけません。

もし、文字の折り返しを「四角」にせずに図表番号を挿入すると、図表番号が「テキストボックス」ではなく「段落」になってしまい、手順6で説明する図と図表番号の「グループ化」ができなくなります

図の右上に表示されているアイコンをクリックし、「四角」のアイコンをクリックします。


見た目は変化がありませんが、文字列の折り返しが「行内」から「四角」に変わりました。


手順4:サイズ変更

先に画像のサイズを変更してから、図表番号を挿入しなければいけません。

もし、先に図表番号を挿入し、グループ化後にサイズを縮小すると、図表番号の文字高さも縮小されてしまいます。その結果、図表番号が見えなくなります

では、画像のサイズを変更してみましょう。

図を選択しコーナーのハンドルをドラッグし、画像サイズを変更します。おおむね半分の大きさにしました。


手順5:図表番号の挿入

まず、参考資料タブにある「図表番号の挿入」をクリックします。


図表番号のウィンドウが開いたら、右下の「番号付け」をクリックします。


「章番号を含める」にチェックを入れ、OKをクリックしてウィンドウを閉じます。


下図のとおり、画像の下に「図1-1」と記載されたテキストボックスが追加されました。


図表番号のテキストボックスの幅が図の幅と同じになっています。
先に説明したとおり、「先に図を貼り付けて、後から図表番号を挿入する」と、このようにバランスよく図表番号が挿入されます。


テキストボックスに、図のタイトルを追記しましょう。「日本地図」と追記しました。


手順6:グループ化、配置調整

図と図表番号は、それぞれ独立したオブジェクトになっていますので、両者をグループ化して移動しやすくしましょう。

図表番号のテキストボックスが選択されている状態で、図をシフトキーを押したままクリックします。


図表番号と図が選択された状態になりますので、図の上で右クリックします。


メニューのうち、「グループ化」をクリックします。


図と図表番号がグループ化され1つのオブジェクトになりました。ドラッグして左端から右端に移動してみましょう。


グループ化してあるので、図と図表番号が一緒に移動します。


手順7:アンカーの固定

次に図などのオブジェクトと段落を紐づけている「アンカー」というものを「固定」します。

アンカーを固定する理由は後で説明しますね。

まず、図の近くの段落の先頭に「錨の記号」があることを確認しましょう。


アンカーの位置を、連結させたい段落にドラッグして移動させます。


次にタブ「レイアウト」の中の「位置」をクリックし、「その他のレイアウトオプション」をクリックします。


レイアウトのウィンドウが開いたら、「アンカーを段落に固定する」にチェックを入れます。


右下のOKボタンをクリックしてウィンドウを閉じます。


これで図と図表番号の設定は完了です。


アンカーの役割

アンカーの役割は、オブジェクトと段落を紐づけることです。

図やテキストボックスなどのオブジェクトを挿入すると、オブジェクトの直近の段落に「アンカー」記号が表示されています。

オブジェクトは、このアンカー記号が表示された段落と紐づけられます。

この紐付けにより、アンカーの表示されている「段落」を移動させると「オブジェクト」も一緒に移動します。

ところが逆に、「オブジェクト」を移動させると、「段落」は移動せず、「アンカー記号」がオブジェクトの直近の段落に「自動的」に移動します。

アンカーを固定する理由

アンカーを固定する理由は、オブジェクトを移動させた際にアンカーが「自動的に」移動するのを防ぐためです。

一般的に図は特定の段落で説明されたり紹介されたりしますので、その段落の近くにあるべきです。

体裁を整えるため、図を移動する際、アンカーを固定していないと、アンカーが別の段落に移動してしまいます。

このため、図を説明している段落との紐づけがなくなり、場合によっては図が全く関係ないページに移動してしまうこともあります。

短い文章を書くときは問題にならないのですが、論文などを書く際は、忘れずにアンカーを固定しましょう。

アンカーを固定したら「Webレイアウト」は使わない

アンカーを固定しても、「Webレイアウト」にすると、アンカーは固定されなくなります。

なぜ、このようなことが起こるのかは分かりませんでした。

図を挿入したら「Webレイアウト」を使わず、「印刷レイアウト」で編集することをお勧めします。