断面二次モーメント
断面二次モーメントとは?
断面二次モーメントとは、部材断面形状による固有の係数で、曲げモーメントによる部材の応力度などを求めるために用いられます。
曲げを受ける部材の中立軸から任意の距離での曲げ応力度は、断面二次モーメントを用いて次式のとおり算出されます。
ここに、
- $\sigma$:曲げ応力度(N/mm²)
- $M$:断面に作用する曲げモーメント(N・mm)
- $I$:断面二次モーメント(mm⁴)
- $y$:中立軸からの距離(mm)
上式のとおり、断面二次モーメントが大きいと、分母が大きくなるため、断面に発生する曲げ応力度が小さくなります。
つまり、曲げ強度が大きくなり、たわみにくくなるということです。
求め方
一般式
ここに、
- $I_x$:X軸に関する断面二次モーメント(mm⁴)
- $a$:断面内の部分要素の面積(mm²)
- $y$:X軸からの距離(mm)
または、
ここに、
- $I_x$:x軸に関する断面二次モーメント(mm⁴)
- $A$:断面内の微小面積(mm²)
- $y$:X軸からの距離(mm)
長方形断面における図心軸の場合
ここに、
- $b$:幅(mm)
- $h$:高さ(mm)
長方形断面の場合、断面二次モーメントの大きさは、幅に比例、高さの三乗に比例することが式から分かります。
使い方
断面二次モーメントは、部材の応力度の算出のほか、断面係数の算出や、仮設土留め工の「根入れ長を算出するための杭の特性値」の計算などに登場します。
具体例は次のとおり。
