せん断スパン比とは?

せん断スパン比とは、コンクリートのはり部材において、許容せん断応力度を補正するための部材形状を示す値です。

計算式にすると次のとおり。

$$ \begin{equation} \begin{split} \frac{a}{d}=\frac{M}{Qd} \end{split}\nonumber \end{equation} $$

ここに、

  • $a/d$:せん断スパン比
  • $a$:せん断スパン(m)
    • $a=M/Q$
      • $M$:はりに作用するモーメント(kN・m)
      • $Q$:はりに作用するせん断力(kN)
  • $d$:はりの有効高(m)

せん断スパン比を構造計算に用いる理由

コンクリートのはり部材にせん断力を作用させると、せん断スパンと有効高によって、せん断耐力が変化することが実験により分かっています。

このため、せん断スパンを有効高で除した値である「せん断スパン比」に応じて、許容せん断応力度を補正します。

フーチングの設計において、せん断スパン比$a/d$が2.5より小さい場合、表に示すとおり、補正係数$c_{dc}$を用いて許容せん断応力度を補正します。(H29道路橋示方書・同解説Ⅳ下部構造編p134、H24道路土工擁壁工指針p186)

$a/d$ 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5
$c_{dc}$ 6.4 4.0 2.5 1.6 1.0

このように、せん断スパン比が小さい(はりの形状が太く、短い)と、許容せん断応力度を補正する係数は大きく(せん断耐力が大きく)なります。

このほか、せん断スパン比が2.5以下であると「せん断圧縮破壊」、せん断スパン比$a/d$が2.5を超えると「斜め引張破壊」となる挙動を示すことが実験により分かっています。

このため、H24道路土工擁壁工指針のつま先版やかかと版の設計では、2.5を境にしてせん断応力度の計算方法が異なっています。

構造計算におけるせん断スパン比の使い方

具体例は次のとおり。