ケーソン基礎とは?

ケーソン基礎とは、コンクリートまたは鋼でできた中空の箱で、橋脚など基礎構造物として用いられています。

大きな箱形状であるため、ケーソンの内部には空間があります。

ケーソン基礎の一般的な施工方法は、まず天板と底板のない箱(筒形状)を地上で構築し、その内部の土砂を掘削・排土しながら地中に沈下させ、支持地盤に到達させます。

ケーソン基礎は、その施工方法により「オープンケーソン基礎」、「ニューマチックケーソン基礎」に分類されます。

直接基礎との主な相違点

H24道路土工擁壁工指針p.274によると、根入れ長さと基礎短辺幅の比が1/2以下となる基礎形状の場合は「直接基礎」、1/2以上は「ケーソン基礎」として設計するよう区分されています。

ただし、根入れ部分の抵抗が期待できない場合には、直接基礎として設計するのがよい、と注意書きがあります。

道路橋示方書にも同様の記載がありますので、一般的な道路構造物に適用できる考え方だと言えます。

図のとおり、直接基礎の場合は横方向の土圧が小さく、底面の摩擦が大きくなっており、安定計算において根入れ部分の土圧を考慮しないことが一般的です。

一方、ケーソン基礎は横方法の土圧が大きく、それに比べ底面の摩擦が小さくなることから、直接基礎と安定計算の考え方が異なり、根入れ部分の抵抗を考慮して安定計算することになります。

「ケーソン」の語源

英語のスペルは「caisson」です。

英英辞典で調べると、「橋梁の基礎などに用いられる大きな箱」と説明されています。

もともとの語源は、Longman英英辞典によると、フランス語の箱を意味する「caisse」のようです。

日本語のケーソンという言葉は、建設業界以外で用いられることはないかもしれませんね。