設計水平震度とは?

構造物の耐震設計を「震度法」と呼ばれる手法で行う際に用いる係数である。

具体的には、鉛直方向の重力加速度を「1」とした時の、相対的な水平方向の加速度の値で、H24道路土工擁壁工指針p96では「0.12~0.24」の値が標準値として定義されている。

使い方

震度法では、上下左右に繰り返し運動する地震動を、静的な水平力に置き換えることとしており、構造物や土塊の重量に設計水平震度を乗じて水平方向の慣性力を算出します。

例えば、擁壁の設計では、「擁壁の自重」と「土くさび重量」をそれぞれ算出し、設計水平震度をそれぞれに乗じて水平力を算出し、転倒に対する照査、滑動に対する照査、支持に対する照査、部材の安全性の照査を行います。

なお、H24道路土工擁壁工指針p96のとおり、地盤種別ごとに定義された設計水平震度の標準値に、地域別補正係数を乗じた値を照査に用います。

橋梁の設計も擁壁と同様であるが、震度法が適用できる対象が単純な形状の橋に限定されており、また路線の重要度などによって定められる耐震性能によっても適用範囲が限定されています。

具体的な設計例

擁壁における具体的な設計例は、下記の記事を参考にしてください。

Excelで重力式擁壁(重要度1)の設計計算 -嵩上げ盛土-

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この記事では、道路に設定される「重力式擁壁(重要度1)」をエクセルで設計計算してみた結果をご紹介します。